(株)工房は、川口市が目指す「交通ネットワークが充実した快適で利便な都市」の実現に向けた取り組みの一環として実施された自動運転バスの実証走行を中心としたMaaS※1体験(2021年2月2日~年2月25日)事業について、ネット予約から乗車時の認証システムの提供を行いました。本事業は、内閣府の「未来技術社会実装事業」の一環で、川口市より委託を受けて実施したものであり、延べ316人の方に参加頂きました(新型コロナウイルス感染拡大防止のため、関係者のみの参加としました)。

◾️工房の役割
当社が運営する高速バス予約システム「発車オーライネット」を利用して自動運転バスの予約・乗車認証を担当し、埼玉高速鉄道様のご協力の元、バスの乗車チケット提示により鉄道の乗車ができるMaaS体験のサービスもご提供いたしました。


◾️自動運転車両実証走行実験の概要
自動運転車両実証走行実験は、BOLDLY(株)による自動運転バスの走行を中心に、鉄道から自宅前までの端末交通を一体的に予約・利用できる仕組み(MaaS)を体験いただくものであり、埼玉高速鉄道(株)による市内地下鉄利用、日本工業大学による自動運転パーソナルモビリティ(端末交通)、(株)アークノハラによる安全補完施設の設置、(株)工房による一体予約システム、(株)福山コンサルタントによる社会実装に向けた評価・検証など、多くの企業・団体の皆様の協力の基に実施いたしました。
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(*1)「MaaS」について
鉄道、バス、タクシー等の全ての交通手段をシームレスにつなぎ、1つのサービスとして捉える新たな移動の概念です。


◾️自動運転バスの実証走行の概要
自動運転バスの走行ルートは、埼玉高速鉄道 埼玉スタジアム線 「鳩ヶ谷駅」前の広場と川口市立科学館や映像ミュージアムなどから成る複合施設「SKIPシティ」間(往復約3.4キロメートル)を自動運転レベル3相当※2にて走行しました。
関係者試乗は、火曜日から金曜日までの平日および2月13日、14日、20日の計15日間に、日野ポンチョ(日野自動車製)をベースに先進モビリティ社が改造した自動運転バスを、1日8便(4往復)運行しました。別途、川口市立高校の生徒向け授業として1月28日、29日の2日間で8往復を運行しました。
(*2)「自動運転レベル3相当」について
限定条件の下で、システムが全ての運転タスクを実施し、状況に応じてドライバーが適切に対応する。
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自動運転バスの運行は、国際興業(株)の協力のもと、10名のバス乗務員に交替で運転席に座って頂き、いざという時にハンドルやブレーキ介入をして頂くセーフティドライバーを担当して頂きました。また、国際興業川口営業所に設置したBOLDLY(株)の自動運転車両運行プラットフォーム「Dispatcher(ディスパッチャー)」を利用して、国際興業(株)の運行管理者、及び運行管理補助者の有資格者が遠隔監視を行いました。
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◾️新たな取り組み(信号協調、交差点センサー)
今年度の実証走行では、走行ルート上の全7箇所の信号協調を行いました。(日本信号(株)協力)そのうちの2箇所が歩行者用押しボタン式信号機で、通常は歩行者が押しボタンを押すとすぐに黄色→赤色に色が変わるタイプですが、自動運転バスが急停車にならないように、日本で初めて、車両の位置情報によりバスが通過できるように延長するという信号協調を行いました。
また、走行ルート上の3箇所に交差点センサーを設置し、他の車両や歩行者などを検知した場合は、自動運転バスへ「停止要求」を通知するというインフラ支援を取り入れました。
そのうちの1箇所は日本で初めて、信号機のないT字路交差点で実施しました。
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◾️川口市立科学館での特別展示
自動運転バスの実証走行に併せて、SKIPシティ内の川口市立科学館にて「自動運転のしくみ展」が1月23日から2月28日まで開催されました。その中で、自動運転の紹介や解説を行う展示や自動運転バスの乗車体験ができるVRゴーグルが設置された他、リアルタイムで自動運転バスに接続中の「Dispatcher」を展示し、走行中の自動運転バスの様子をご覧頂いたり、別画面では「Dispatcher」を活用して自動運転バスを遠隔監視している国際興業川口営業所の様子も中継しました。
また、ハンドルがない自動運転車両「NAVYA ARMA(ナビヤアルマ)」(仏Navya社製)の展示(期間限定)も行われました。
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◾️川口市の取り組みについて
川口市は、内閣府が公募した「近未来技術等社会実装事業」(現「未来技術社会実装事業」)に「先端技術体験がもたらす地域振興と人材育成および公共交通不便地域の解消」をテーマにした取り組みを応募し、2018年に事業採択されています。この取り組みの一環として、鉄道の駅から離れた場所に位置する「SKIPシティ」と埼玉高速鉄道鳩ヶ谷駅間で、2020年2月に4日間にわたり、自動運転バスの実証実験を実施しました。2021年2月から実施した今回の実証走行では、ドライバーによる介入操作を必要としない自動運転バスの実用化を目指して、より高度な技術検証に取り組みました。期間を約1カ月程度設けて一般の方々にも試乗していただく予定でしたが、コロナウィルス感染拡大の緊急事態宣言が発出されたことを受け、コロナ感染防止対策を徹底のうえ関係者試乗に限定して実施しました。
また、今回の実証走行と併せて、端末交通の利便性向上に向けた取り組みとして、日本工業大学の協力により、利用者による呼び出しに応じて自動走行するパーソナルモビリティの実証走行を「SKIPシティ」の敷地内で行いました。このパーソナルモビリティは、自宅とバス停間等の「ラストワンマイル」における利用を想定した、スムーズな移動を実現するための交通手段で、川口市は自動運転バスとパーソナルモビリティを組み合わせることで、移動がより便利になるまちづくりを目指しています。